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神奈川県在住のAさん63歳は奥様と大学生の娘さんと暮らしていました。Aさんのお仕事は水産練製品業。代表的な食品で言えば正月に欠かせない「かまぼこ」でしょうか?。
食品には時代と共に好まれる味や形・食感などが変化していき
そのニーズに応えて行く会社と旧来のままの製法で変わらぬ味を提供していく会社に別れていくのかもしれません。
変わらない中で利益を出す業種・会社もあれば、そのあおりを受け大きく収益を落とす会社もあります。
そういった中でAさんの会社は、後者の方であり会社の業績の悪化により大きな給料カットが行われたそうです。奥様のパートでの収入と合わせて住宅ローンの返済を行ってきましたが、初めて住宅ローン滞納をした時に「もう長くは続かない」と思いご相談に来られました。
娘さんが特に「住み続けたい」という気持ちが強かったのですが、娘さんはまだ大学生ですので住宅ローンの融資を受けることができません。しかし、この娘さんは「親子間売買」に非常に興味があるようでした。実はAさんには同居はしていないものの、26歳になる長男の方がいらっしゃりましたが、当初はその存在を教えて頂けませんでした。長男の方の存在を知った時より、親子間売買の説明などを詳しく行いましたが、娘さん以外はどうもあまり浮かない顔でした。後から私達も知りえたことですが
「母親が息子に負担をかけたくない気持ちが強かった」
想像はついてましたが、「息子さんがどう思っているのか?」この気持ちも大事なことになります。
実は息子さんも「ここまで大変だったのを知ったのはつい最近です」ということでした。
この最近は「1週間前」です。大事な判断になるので「ゆっくり家族間で話し合ってください」と言う旨を伝え、返事を待つこと2週間後に「できれば家を残したいので、お願いします」という返事を頂き親子間売買へと着手しました。
融資を行う金融機関を相当数あたりましたが、どうしても売却価格まで融資額を上げることができませんでした。こういった場合、ご家族の中で収入のあるどなたかが、連帯保証人になることで融資可能になることがあります。息子さん曰く「アパート賃料や毎日の外食代などを考えれば反って住宅ローンの方が安いです」とおっしゃっていました。
最後までおそらくお母さんは複雑な気持ちでいたと思います。結婚前のご子息の場合に「息子や娘の結婚に影響を与えないか?」親子間売買で一番悩ましい問題です。しかし、昔は長男が親と住むことが当たり前の時代があり、結婚を含め先のことは誰一人解らない現実の中、いくら考えても答えは出ません。ご子息の気持ちを尊重するのが一番自然の流れなのではないでしょうか
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